フェルメール Johannes Vermeer/1632-1675

17世紀オランダ美術を代表する画家 フェルメール

「窓辺で手紙を読む若い女」

フェルメール(Johannes Vermeer/1632-1675)は、17世紀にオランダで活躍した画家。

ルーベンスレンブラントと並び、17世紀のオランダ美術を代表する画家とされる。

当初は物語画家として出発したが、やがて1656年「取り持ち女」の頃から風俗画家へと転向していった。

現存する作品点数は三十数点で、22年の画歴に鑑みれば寡作といえる。

サルバドール・ダリも絶賛

シュルレアリストとして有名な画家サルバドール・ダリ(Salvador Dali/1904-1989)はフェルメールを絶賛していたとされ、フェルメールをモチーフにした作品を描いている。

その主なものは、「テーブルとして使われるフェルメールの亡霊」(1934年,ダリ美術館)、「フェルメールの<レースを編む女>に関する偏執狂的=批判的習作」(1955年,グッゲンハイム美術館)などがある。

フェルメール・ブルーとは? ~天空の破片ラピスラズリ~

フェルメールの絵に見られる鮮やかな青は、「フェルメール・ブルー」と呼ばれる。用いられた絵の具は、天然「ウルトラマリンブルー」。非常に貴重な鉱石「ラピスラズリ(Lapis lazuli)」を原材料としている。17世紀には金よりも貴重であったといわれ、「天空の破片」とも呼ばれた。

ラピスラズリは、ヨーロッパの近くではアフガニスタンでしか産出せず、それが海路で運ばれたため、「海を越えて運ばれる青」という意味で「ウルトラマリン」と呼ばれた。

ウルトラマリンブルーは通常の青い絵の具の百倍の値段がついたとされる。通常の画家は限られた部分にしか使わない貴重な絵の具だったが、フェルメールはこのウルトラマリンブルーをふんだんに使った。

フェルメールの代表作

牛乳を注ぐ女

左から光が差す室内に立つ女性というテーマはおなじみのものだが、働く女中を単独で表したものはこれ1点のみ。モデルについては、フェルメールの義母の元で働いていたメイドとも言われているが、定かではない。

デルフトの眺望

フェルメールの生まれ育った町デルフト(Delft)は、オランダ南ホラント州の古都。ロッテルダムとデン・ハーグとの中間に位置し、人口は2007年初め時点で約9万5千人。

真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)

フェルメールの代表作は、1665年頃に描かれた「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」。ハーグのマウリッツハイス美術館に収蔵されている。

その神秘的な魅力から「北のモナ・リザ」、「オランダのモナ・リザ」と称賛されている。

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